引き続きSushi Packの話題。昨日の記事では、本物のスシパックつまりアメリカのスーパーで売られている寿司の折り詰めなどが韓国系の会社の経営であることが多いことを書いたが、こういうパターンはけっこうある。というのも一般のアメリカ人には、アジア人はどれも似たようなもので区別がつかない。だから東アジアを「オリエンタル」とひとくくりに言うのだが、このオリエンタル路線でいけば、アジア系アメリカ人市場を網羅できるし、普通のアメリカ人に東アジアをかなりわかりやすい形にできる。だから、Yesasia.comのようなサイトやAZN TVのようなテレビ局が存在する。そして、このマーケットはけっこう以前からあり、アジア系とオリエントにあこがれる一部のアメリカ人を引き付けてきたが、最近ではアニメ人気などでその層がぐっと広がっている。

というわけで、Sushi Packもこのオリエンタル路線の延長にあるのではないかと思うのだが、調べていくと少し違うようだ。まず、このSushi Packのオリジナルアーティストで発案者のLeo Espinosa氏。彼のデザインは、なんとなく日本のマンガの影響は感じられるもののアメリカ的なセンスもミックスされていてかなり洗練されている。

そして、この彼をライセンス・ショーで見出したAmerican Greetingsは世界最大のグリーティングカード会社で、キャラクターのライセンスも数多く持っている。このAG社がアニメ大手のDIC InternationalそしてCBSとのジョイントベンチャーで土曜の朝のアニメをやっていて、そこでSushi Packも放映されているのだが、台本にはアメリカアニメの一流ライターが使われている。そしてクロスメディアを活用したかなり綿密なマーケティングの戦略もあるようで、ライセンスされているグッズは2008年には全国の小売店に出され、秋にはAG社の直販店では特別コーナーにされ、2009年には本やDVDが販売されることが予定されている。

日本のアニメみたいなのに実はアメリカのアニメで、たぶんアニメーションの下請けには韓国や中国の会社が使われているだろうSushi Pack。個人的にキャラクターのかわいさが好きなことは別にして、このマーケティング路線で、アメリカでどんなふうにどこまで人気が出るのか楽しみだ。