PRとソーシャルメディアは切っても切れない関係に

少し前になりますが、Seattle Lunch2.0の催しでPR会社主催の「プレスリリースとソーシャルメディア」についてのパネルディスカッションに行ってきました。パネルは、ユニークなPR会社であるMWWGroupのBecker氏、シアトルのIT企業についての情報ならここと皆が認識しているブログTechFlashのCook氏それとMWW Groupの顧客である米国の大手会計事務所DeloittのPR担当のRiley氏の3人でした。パネルは最近ではこういう会合ではお決まりともなってきている、リアルタイムのTwitterでの投稿が画面に映し出される形式で行われました。

MWWはもともとPRの会社なのですが、現在では企業のためのソーシャルメディア活用が仕事の大きなウェイトを占めてきているようです。というのも、少し前であればプレスリリースで正式に発表されていた企業のニュースが、Twitterのようなソーシャルメディアでいち早くブレークしてしまうため、PR会社もそこをしっかり押さえなければ、プレスリリースを出す意味がなくなってしまうようなのです。つまりソーシャルメディアがPRと切り離せない存在になってきているのです。

そこで、ソーシャルメディアは、プレスリリースのような企業発表とどう違うのか、どのようにうまく活用していけばよいのかが話されました。TechFlashのCook氏は、プレスリリースが信頼性のある情報であることは間違いなくそこに価値があるものの、即時性や情報の幅広さを考えた場合、たとえばブログへのコメント投稿なども活用価値があることを話していました。ブログの記事にすぐにつけられた読者のコメントの信憑性を調べていくうちに思いもかけない情報に当たることがあるというのです。
Riley氏は、Deloittでのソーシャルメディアの活用を話されていましたが、Twiiterのようなミニブログの社内活用、リクルートのためのソーシャルメディア活用など、大手で採用者数が多い企業ならではの活用法が非常に興味深かったです。Facebookのファンページ、Twitterのアカウントもすでに2つあるそうで、こういうお堅い会社がここまでソーシャルメディアをすでに使い込んでいるというのに少し驚きました。


会場はシアトルダウンタウンのDeloittのオフィスだったのですが、さすがに大手会計事務所、写真のようにものすごく眺めの良いオフィスでした。そして、この場所柄のせいか、いつものソーシャルメディアの集まりに比べるとソーシャルメディアにやや批判的な人が混じっていたのが今回の会合の特色でした。

まず、ソーシャルメディアはこれまでのウェッブと何が違うのか。何も変わっていないのではという意見やソーシャルメディアによってコンテンツがどんどん薄まって信憑性も失われているという意見がでていました。前者は最近のソーシャルメディアを双方向メディアとして活用していない人に典型的な意見で、FacebookTwitterのプラットフォームとしてのすごさをもう少しわかってほしいなというところです。後者はジャーナリズムによって磨かれた記事の信憑性、観点の奥深さなどが失われてしまっているという意見ですが、こちらは確かに一般の人とプロが境目なくが発信していくソーシャルメディアの今後の課題と言えるかと思います。どちらにしてもソーシャルメディアアメリカのPR業界では、無視できない存在になっていることは確かなことを感じた会合でした。