図書館のebook貸出サービス

朝、自宅から会社へ通勤するバスの中で、最近よく見かける光景があります。
同じく、会社へ通勤中と思われるビジネスマンらしき人が
おもむろにカバンを開け、新刊本ハードカバー版ほどのサイズのビジネス手帳らしきものを取り出して・・・
ということなのですが、よく見てみるとこれはアマゾン社が販売している電子ブック端末、キンドルなのです。
自宅から会社までの道のりには、マイクロソフトなど、多くの企業があるため
バスの乗客層は、ビジネスマンがほとんどということもあるのだと思いますが、改めてアメリカでのキンドルの人気を見たようでした。


ところで、シアトルをはじめシアトル市近郊にあるKing County Library Systemでは、
図書館における電子書籍(ebook)の貸し出しサービスが積極的に行なわれています。


 


ファイルはPDF版、モバイルポケットという変換ソフトを使った形式があり、図書館のウェブページ内の『ダウンロード』アイコンをクリックすると、ebookやオーディオブックなどのカテゴリが選べます。ログインさえ行なえば、オンラインで本を検索、わざわざ図書館に出向く必要なく自宅からでも簡単にデータをパソコンや電子書籍リーダーにダウンロードすることができます。キンドルなどの電子書籍リーダーにダウンロードを行えば、重い本を何冊も持ち歩く必要もなく、どこでも読書を楽しむことができるのは本好きにとっても大きな利点です。また、貸し出し期限が切れると自動的にファイルは閲覧できなくなる仕組みになっているので、返却し忘れや紛失の可能性はなくなります。



日本でも同様のサービスを千代田区立図書館が2007年に始め、千代田区Web図書館サイト内で本のデータ貸し出しを行っています。
しかし、未だ日本では電子書籍リーダーも存在するもなかなか普及しておらず、また出版社との契約の関係上、こうしたサービスにも遅れを取っているというのが現状のようです。

日本では4月末アップル社から、電子書籍リーダーの機能を備えたストレート端末iPadが発売される予定ですが(アメリカでは一部モデルが4/3に発売)、電子書籍元年と呼ばれる2010年を迎え、日本でこれから電子書籍ビジネスがどの様に進化していくのか楽しみです。

キンドルアイパッドを筆頭に、この様なサービスは更に市民の生活に、浸透していくのではないでしょうか。


キンドルについて
2007年11月に発売されたKindleは、電子書籍端末として米国アマゾン社から発売され、その販売実績は2008年までに50万台だったと推定されています。
その後、2009年2月にKindle 2を、同年6月にはKindle DXが登場しました。Kindle DXでは、新たにPDFリーダが標準で搭載されたため変換ソフトを介すことなくPDFファイルを読むことができます。また、USBケーブルを介したPCとのデータ連携も行うことも可能です。更に、アマゾン社は、iphoneアプリを使ったKindleのサービスを始め、電子書籍の売上を確実に伸ばしています。
今現在、日本語対応の端末は出ていなのですが、アメリカでは空前のヒットとなり、街中でキンドルを使う人を見かける機会が増えています。私自身、今までは電子書籍を読むということに対してあまりイメージが沸いていなかったのですがiPadKindleに関する情報が連日耳に入ってくるようになった現在、今後の動向に注目を向けています。



Source: King County Library System: http://www.kcls.org/
千代田区立図書館: http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/
千代田区Web図書館: https://weblibrary-chiyoda.com/


インターン 山本有子