上図は、昨年走り書きした「時流のベクトル」の一例である。いつの頃からともなく、時流(世の中、市場、そして顧客志向など)のベクトル(向う方向性)を考える癖として持つようになった。ITという道具が使われるためには、世の中や消費者は何を望んでいるかをよく理解するのは大切である。
ここ数年来、興味あるものに「情操教育」と「エコロジー」、そして「癒し」がある。高度成長が続いた戦後半世紀から21世紀に突入した現在、「こころ」という大切な問題がクローズアップされている。

そうしたベクトル上で出てきた代表的な波に「ロハス・・Lifestyle Of Health And Substainability(健康と持続可能な社会に配慮したライフスタイル)」がある。教育、エコ、癒しなどすべてロハスに見ることが出来る。

米国市場で「インターネットよりも成長しているのは健康産業」といわれている。例えば、フィットネスジム、健康器具から健康食品。Wikipediaによると米国だけでロハス市場は、$227Billion(22兆7千億円)という巨大マーケットである。

安ければいいという大量消費から少量他品目、そして本物志向。ファーストフードからスローフード。自分の消費行動とともに地球環境への配慮というエコロジーは、エゴからの脱却という思いやり。

最近のYoga流行もLOHASの波ではないだろうか?日本での武道・武術の復権。子供に武道を習わせる親が増えているのも、肝心な何かを取り戻そうという心の渇望であるとするなら、良いベクトルだと思う。

Simple is the Best。IT道具も老若男女が使いこなせるものが良い。パソコンも自動洗濯機や電子レンジのレベルまでに・・・押付けがましいボタンが一杯の家庭のリモコンが嫌で、“Bean Project”という新しいリモコンの姿を数年前に企画した。今でもその企画は通用すると考えている。しかし、ベクトル上でビジネスが起こるにはタイミングがある。そこがビジネスの難しさなのであるが・・・Beanを再び立ち上げるタイミングと縁も持っていたい。