今日のC−Netの記事“マイクロソフトのiPod対抗端末「Zune」が善戦--米調査”という記事を読んで、腑に落ちなかった。というのもMSお膝元に住んでいる私のまわりでさえZuneを持っているとか買ったとかいう話を聞いたことがない。なので、C−Netの英文のもと記事までもどって見ることにした。まずもと記事の題は: Analyst: Zune finding
some willing earsで、ある調査によれば一部ではZUNEが受け入れられているといったニュアンス。だから、善戦というのは少し言いすぎかなと感じた。

そして、さらにこの記事のコメント欄の‘Talk Back(英語版のC−Netではトッラクバックはなく、このコメント欄のみがある)にある22のコメントを読んでいくと、やはりそうかという内容であった。コメントには、まずiPodが最も売られているアップルの直営店「アップルストア」での売上が統計に入っていないので意味がないというもっともな指摘があった。そして、統計の対象となったBestBuyとかCompuUSAのような量販店には、マイクロソフトが販売のマーケティングにかなりお金をつぎ込んでいるだろうからそこだけの数字では判断ができないいうのも一理あるかなと思う。

コメントには、さらにZuneを買っているのは、子供のあいだでどんな端末が流行っているのかを全く知らずにクリスマスのプレゼントを買っている親で、クリスマスが終われば返品されるとかバルマーに脅されて買いましたという笑ってしまう内容もあるが、驚いたのは私のようにシアトル地区に住んでいる人のコメントが多いこと。近くのモールでも見たことがないとかあるとか。まあ、買う人が多いとすれば、やはり社員割引で買えたりするだろうMSの従業員が多いこのあたりが一番多くてあたりまえなので、ここで売れているかどうかが焦点なのだろう。

個人的に一番気になるコメントは、Zuneの売りであるワイヤレス機能が限られているという指摘。デジタル権利管理のない音楽でも移動すると3日間3回の使用という制限がかかるし、パソコンへの移動もできないということ。Zuneを実際に扱ったことはないのでこの点を実証できないのが残念である。それにしても端末と結びつくべきのZune MarketplaceZune Musicなどのサイトの影が薄いことが一番気になる。アップルが打ち出したWebサービスと端末の一貫サービスというビジネスモデルをMSがなぜもっと追っていかないのだろうか。Zune PassやZune Pointsというサービス収益の形があっても、その影が薄ければ意味がないわけで、MSは端末の売れ行きよりもここをもっとしっかりマーケティングしたほうがよいのではないか。

これだけ様々なWebサービスが展開している現在、どんな端末もすべてインターネットのサービスありきの端末という考え方を、もともと端末の製造をしていたわけではないマイクロソフトが持たないのが理解できない。というわけで、今週末からの休みにはZuneの売れ行き(返品?)を目撃できる時間があればと思ってます。