10月末に行ったビジネス・ブログ・サミットのレポートを年内には何とか終わらせようと人影の少ないオフィスに。サミットではパソコンにしっかりタイピングをしてノートを取ったが、何しろブログサミット、参加者は皆パソコン持参でその場で自分のブログに内容をレポートしてネットにアップしていた。おかげで2ヶ月経った今も情報がネット上にたくさんあり、それをレポートの参考にさせてもらっている。しかし、たかが2ヶ月と思っていると、米国オンライン業界ではこれが長い期間であることを思い知らされる。

Jason Calacanis氏の基調講演についてまとめようとしたところ、同氏が11月には自らが立ち上げてAOLに売却したWeblogs, Inc.を去っていて、12月はじめにはGoogleYoutubeのVCとして有名なセコイアキャピタルでEIA (Entrepreneur in Action) というポジションについていることを今頃になって知った。彼のブログからは、すでに新しいプロジェクトにどんどん挑んでいる様子がうかがえる。ちなみにWeblogsはかの有名なEngadgetを掲載しているブログサイトだ。彼のバックグランドについては、Long Tail Worldの記事がよくまとまっている。


ドットコムバブル時代、ニューヨークで一世を風靡。その後、会社が目の前でどんどん傾いていくおぞましい経験をしたが、人脈とアイディアで再びオンライン業界に復活したという彼の体験談は、米国オンライン業界についてとても考えさせられるものだった。

ひとつにはこの業界の狭さみたいなものと、それだけに人脈が大切であることを感じた。彼の話はこの人には助けられたとか裏切られたとか言うことにはじまって、友人がYoutubeと言うわけのわからない会社で働こうとしたので止めたなどという笑い話まであった。どんな業界でももちろん人脈は大切だろうが、常に新しいものが生まれ動きの早いオンライン業界では情報を掴むことがより重要となってくる。だから彼のように広い人脈を持っている人の価値が高くなるのだろう。

そして、彼の話から学んだのは自分の良かった経験もつらかった経験もすべてを活かすこと、次に結びつけるアイディアを生み出し決してあきらめないこと。そんな不屈の精神と自分で考える力、これがこの業界に必要なことなのだと理解できた気がした。

さて、カラカニス氏は、ブロンドのなかなかのイケメンだったが、それ以外にも印象に残ったことがふたつあった。ひとつはビジネスの資金繰りや財務にやたらと詳しかったこと。どちらかというと出版系、広告系の人が多かったブログサミットではそれが目立っていた。そして、それとは逆にブロガーに虚偽の記事を書かせる会社に対する強い反感を持っているなど人柄にとても純粋な面があることも感じられたこと。このあたりがきっと彼の広い人脈の秘密なのではないだろうか。と言うわけで2ヶ月たった今も彼の印象がしっかり残っているのだが、やはりレポートは早めに書かなければいけませんね。