マイクロソフトがカナダのバンクバーに巨大な開発センターを開設する動きがあるようです。 彼らの本社があるレッドモンド市の隣、イサクワ市に多くの部隊を引っ越させるという話があったのは数年前で、それが切欠で丘陵地帯の開発が一挙に進みました。住宅だけでなく、スーパーから続いて学校という話も・・そして交通事情を考慮してか、I-90フリーウエイには新しい出口まで出来きましたが、結局その計画は中断し、インドへの外注依存は続いています。しかし、インドでの開発もコストメリットだけでは簡単に判断できなくなっているのではないかと推測します。
しかし、本社にはもうスペースもないし、優秀な海外技術者雇用の問題に就労VISAがあります。技術者の場合は、大抵H1B VISAで就労することになります。しかし、ここ数年このVISAの発行制限数が圧倒的に足りない。お隣のカナダであれば、就労VISAの問題は、今日の米国のH1Bほど難しい問題ではないのでは?と思ったりしました。

一方、先週の日経新聞の報道では、富士通NEC大手企業が1万人体制で、中国やインドへの開発部隊をシフトしていく報道が出ていました。早くからインドに出ていたマイクロソフトが、お膝元にもどりつつあるのと対照的に、今更・・・という日本企業の遅さには経営のスピード感の違いを感じました。表面的には判断できないいろいろな要因はあると思いますが、すでにビジネス形態は、OffshoringからHomeshoringへと変容が始まる今後10年だと見ています。

一部の産業では雇用条件や仕事のスタイルに大きな変化が見られるでしょう。その時に大切になるのが、個人の生き様という価値観だと思います。周囲との協調が大切なのは言うまでもありませんが、組織という集団が機能するためには、個人が機能しなくては駄目ですが、機能という機械的な動きというよりは、哲学・道徳といった心の根っこをしっかり持った自律的な動きが、一層問われる21世紀という新しい時代は、すでに幕開けしています。