地元カークランドを本社とするワイヤレスのブローバンドの会社、クリアワイヤー、5月の記事で本当にマーケティングは成功しているのだろうか?と言うようなことを書いたが、最近、ベルビューのモールに行って驚いた。なんとクリアワイヤー社の出店ができていた。おしゃれでこぎれいな広い店頭にはクリアワイヤーのサービスを使わせてくれるようなモニターが3台置かれていた。しかし、人がいっぱいだったApple Storeと違ってこちらは、誰もいないのでさすがにちょっと入る勇気がなかった。クリアワイヤー、だいぶ盛り返しを図っているのだろうか?

というのもクリアワイヤーは、先月スプリントーネクステルとWiMAXでの業務提携を発表。スプリントが主に都市部、クリアワイヤーが農村部をカバーしてお互いのネットワークを共通して使えるようにするということだ。これは、まだまだ先の見えないWiMAXとは言え、2社の規模を考えるとけっこう画期的なニュースで、そのおかげでクリアワイヤーの株価は上昇。なるほど、さすがに業界のベテランが作った会社、それなりのコネと戦略があったわけだと思ったのだが、その後、第2四半期の業績が発表されると株価はまたもとおどりに。

というのもやはり、マーケティングに苦労しているようなのである。加入者は30万人を越えて収益も増えたというもののフォーブス紙の記事によれば顧客を一人獲得するのに平均$471ドルを使っていて、これはやはり少し使いすぎらしい。きっとこれを象徴しているのが、誰もいないあのモールのきれいな出店なのかもしれない。VCによる融資も得て、パートナー戦略もしっかりと立てられて、何とか技術も追いつかせていっているクリアワイヤー社であるが、WiMAX技術が本格的に導入されるまでに、マーケティングの力だけでどこまで加入者数を伸ばせることができるのか、やはりこれから注目していきたいところである。