グーグルのオンラインで使えるワープロスプレッドシートにアクセスできるようになったというニュースを読んで、早速使って見た。このブログの記事は、Google Docs & Spreadsheetsで書いている。Googleスプレッドシートのほうは6月から利用可能で、ワープロのほうはGoogleが3月に買収したWritelyのサービスとしては8月から利用可能だったが、昨日からふたつを合わせたサービスがオンラインでBETA版として利用可能になった。

Docsに関していえば、ワードの持っている基本的な機能はほとんどカバーされており、単純なワープロ作業であれば、たぶんこれでほとんどの用が足りてしまうだろうと思った。もちろん、それ以上は望めない。しかし、ファイルはHTML,Word,PDFなどさまざまなフォーマットでダウンロードして保存することが可能、そして、逆にファイルのアップロードによる読み込みも可能。つまりオフラインで書いておいたファイルをアップロードさせて続きを書くこともできるわけだ。 

実際にやってみると、アップロードに関しては、比較的簡単な作業であったが、ダウンロードのほうは、セキュリティーソフトに引っかかって、それを解除しようとするとなぜか表示タイトルが文字化けしてしまった。(このあたりは英語ベータ版だから仕方がないか) また、写真の埋め込みは全く問題なかったが、Google Spreadsheetの埋め込みができない。このあたりは、ワープロスプレッドシートがの開発が別々であったために統合が今ひとつなのかもしれない。

やはりいいなと思ったのはDocs&Spreadsheetsがグループウェアであること。コラボレート機能で、他の人にファイルのオンラインで共有を許したり、閲覧を許したりすることができる。これは、今までのオフラインワープロでは簡単にはできなかったこと、オンラインならではの機能だ。またオンラインだから、書いたものをウェッブに載せるのは、簡単、直接ブログに記事を投稿できる(ただし今は主に米国系のブログサービスか自己サーバーブログだけ)、メールとして送ることも可能。これまでのカット&ペーストしていた苦労がなくなるというわけだ。最もこの機能はすでに他のオンラインオフィス製品、例えばZOHOなどではできていたことだし、MSのオフィスだってビジネスであればそれを行う方法もなかったわけではない。しかし、無料で誰にでも利用可能で、Googleだから皆が使い始める可能性がある点がやはり見逃せない。

Spreadsheets のほうも使ってみたが、こちらは入力が遅いのが若干気になった。かなりの大きさのスプレッドシートを作ることも可能らしいが、たくさんの数値を手早く入力するときにはあまり使いたくないかなと思った。また、グラフ機能がまだなく、これも欲しいところ。しかし、Docs同様、こちらのエクセルのファイルとして、ダウンロードもアップロードもできるから、続きはオフラインでするということで、ある程度の作業をここで行っておけばよいだろう。これは、移動中などであれば、これは本当に便利な道具のはず。 そして、もちろんこちらもグループウェアでこちらにはコラボレート機能だけでなく、ディスカッションの機能というのがあり、これはスプレッドシートについてチャットする機能だった。


さて、これはMSオフィスに代えて使うかということになるが、答えはイエス&ノー。私の使ってみた感じでは、ちょうどオンラインのメール機能とオフラインのメール機能の棲み分けのようになるのではないかと思う。つまり、ブログの記事のように誰に見られても良い内容のものならオンラインワープロでOK。特に移動中であれば誰のパソコンを使わせてもらっても作業ができるのだから、これはうれしい。でもサイトにつながらないという可能性、ストーレッジはあくまでGoogleのサーバーだからセキュリティーは完全には保証されていないことを考えると、クライアントに書いている企画書などはやはりオフラインだけで書くしかない。

ちなみにZDネットの Garett Rogersによれば、Google Docsには隠しコードがあって、オフラインでも使用できるように作られているらしいので、本当にそれが可能であるのならばMSオフィスはいらなくなる日が来るかもしれない。でも、そのときまでにはMSオフィスのほうもオンライン機能をどんどん加えてくるかも。どちらが先なのかちょっと楽しみな気もする。