これだけ話題になっているのだから、Webマーケティングを仕事としている私としては一度は入ってみないとならないだろうと思いながらもかなり抵抗のあったSecond Life


抵抗があった理由や三つ。まずは、もともとゲームなどに嵌りやすいたちなので、終わりのない無料のゲームに嵌ってしまったらどうしようという恐怖。二つ目は3Dは、パソコンのメモリーを食うだろうなという現実的な悩み。あとは、どういうキャラクターで入ったらいいのかということを決められないということだった。しかし、この際、最初のふたつは無視することにして、(ちなみにダウンロードソフトは、23MBだった)キャラはだいたい決まったので入会することに。

入ってみて、強く感じたのはこれはバーチャルな世界じゃなくて、現実のアメリカ社会の続きでしかないということだった。まず入会は無料なのだが、無料で入会した場合、ゲームでの仮想通貨リンデンドルの所持金はゼロ。つまりこれでは、歩き回るとか人と話すとかいうことぐらいしかできない。(つまり、ルンペン生活)では、どうやってお金を得ることができるかというと、もうこれが巧妙なビジネスモデルとしか言いようのないものである。


まず、クレジットカードを登録すると、それだけで少しリンデンドルがもらえる。もちろん、このクレジットカードの登録は、これからの購買につなげる足がかり。というのも、本格的にこの世界を楽しむには、本当のお金を出費しなくてはならないからだ。土地が購入できる権利を得て毎月の安定した生活費を得るには、ASPサービスが必要で、9.95ドルの月払いとなる。そして、不動産の賃貸をしてビジネスをはじめたりするには、現実のお金をつぎ込まなくてはならない。おまけに、このリンデンドルは現実のドルに換金可能ということで、現実の世界としっかりリンクされてしまっている。

違うレベルで、現実をつきつけられたのが、セカンドライフでも自分はそんなに変えられないということだった。選んだキャラクターが現実の自分からあまり離したものにできなかったということもあるが、人との接し方からはじまって、行動などにやはり自分がでてしまうし、違う自分になるためにお金を払って奇抜な服を買いたいと思えない。ということは、かなりこの世界に嵌ってみても、そこそこの家や車を買って堅実に生きる自分が見えてしまう。セカンドライフでは、抜群のスタイルで、お腹もすかないし、空も飛べると言うにこれは残念なことだが、何をするにも現実のお金をつぎ込まなくてはならないのだから、現実の限界がそのまま反映してしまうことは仕方がない。また、何かビジネスをして稼ぐにしても、結局自分は現実の世界で得意としていることしかできないとも自覚した。

というわけで、今日のC-NETの記事にでているような泥棒が出現してきたのは全く理解できる。現実の世界にはこういう輩はいるのだから。そのうち伝染病とかもでてくるかもしれない。そうすると、セカンドライフでも政府や警察、病院などが必要になってくるということだろうか。ということは、その運営費である税金が必要になるということ。

日本版の公開ももうすぐだそうだが、こんなアメリカ的な世界が、日本の現実とどのように結びついていくのかは、興味深いところ。英語版に関して言えば、アメリカに住むことなしにアメリカ生活の現実を学ぶには良いところもしれない。けっこう英語の勉強にもなりそうだし。