最近発表される景気動向情報には、USで生活する一消費者として何となく釈然としない感覚に見舞われます。それを肌身で感じた一例が、年末クリスマス商戦でした。中低所得者が多いとされるある地域のShopping Mallに行ったときには驚きました。日曜日なのに閑散としていたからです。しかも空き店舗が目立ちました。
それとは全く別世界を思わせるWall街の景気の良さ。社員の平均年末ボーナスが5000万円を越えていたようです。外資企業経験が長い私でも、我が耳を疑いました。TOP社員でなく、平均金額で5000万円以上!?という驚きは私だけでしょうか?

反面、危機にさらされている米国自動車産業や創業から還暦を向かえ過渡期に入った半導体産業。実業では景気のいい話は聞かないし、一般消費者の実感とは更なる二極分化が、ここ米国では進んでいると思います。案外米国経済の足腰は弱くなっているのではと思えてなりません。

一時期の日本のバブル景気を思わせるような米国株式市場というか業界の異常性。人のお金を預かって運用するだけでそれだけの高額所得が貰える=どこかバーチャル的な経済活動の匂いがします。人の命を預かる医者でさえ、そんな高額所得をボーナスとして手にはできないでしょう。

株式市場の短期予想の限界を言及していたマネックス・ユニバーシテイの内藤社長のインタビュー記事で上記のことを思いました。

私はビジネス上、事業戦略・計画を練るときに常に世の中の動向(ベクトル)をいろいろ振り返ります。彼がインタビューで応えている構造変化はそうしたベクトルの表れです。①グローバル化の進行、②新興国の先進国化、③資源問題、④少子高齢化。世の中の動向というベクトルには、人間のエゴの経済活動以外に自然の法則が働いていると思います。

がむしゃらに働くことも大事。でも最近のちょっとした雪で簡単にマヒする現代生活や経済活動。どこか自然の母である地球から人間に対する警鐘でしょうか?肩の力を抜いてちょっと回りを見渡すことも必要ですね。