前回セカンドライフの長所を活かしたマーケティング方法について考えてみたので、今回はセカンドライフの短所を克服するマーケティング方法を考えてみたいと思う。

クロスメディアが大切〜
マーケティングでは、ひとつのメディアだけでなく複数のメディアで同時にマーケティングをすることが効果的なことは知られているが、現在のセカンドライフマーケティングできる母集団に限界があるので、クロスメディアが非常に重要になってくる。もっともほとんどの企業が参入に関しては、この点で成功は納めている。セカンドライフ参入をプレスリリースすることで、それがテレビや新聞などのマスコミにもネットのニュースでも取り上げられ新しいことに挑む会社だというイメージを世間に広めることができた。

しかし、これだけではその場限りの話題性を集めたに過ぎず、こうしたイメージを保ちさらには収益に結びつける努力が必要になってくる。それにはSL以外のメディアを最大限に利用し、SLと結びつけることが大切。例えば、今日のサンケイビジネスにでている米国日産がSL内でセントラが1万7千台試乗されたいう発表を続ける必要がある。


〜インターネットとの双方リンク〜

この点で企業はホームページでもっとセカンドライフへの参入を宣伝すべきで、メルティングドッツ社のセカンドライフタイムズのような外部ブログでSL内の活動を報告することが効果的だろう。ここで大切なのがインターネットとのリンクだ。なぜなら以前に書いたようにセカンドライフではサービスや製品の検索ができない。しかし、製品とセカンドライフのことを載せたサイトの検索は可能だからだ。セカンドライフではHTMLやRSSフィードを活用することが可能なので、多くの企業はこれを可能にすることに目を向けている。

しかし、ここでけっこう見落とされてしまっているのが外部からセカンドライフへのリンクだ。セカンドライフは、SL内のどんな場所にもテレポートできる地図のAPIを公開しているので、企業は誘導先のサイトにこの地図を設けて、SL内の出店をすぐに見つけてもらうことができる。アメリカではセカンドライフに特化しているElectric Sheepなどは、HPの見やすいところにこのテレポートをつけている。また、この点に目をつけた日本のSL紹介サイトSLGuide.jpもなかなかやるなと思う。だが見たところ大手の参入企業でこの仕組みを利用しているところはあまりない。

こうしてセカンドライフをそれ以外のネットのサイトに双方にリンクさせることで、検索ができない、多くの人の目に触れないという欠点をある程度補っていけると思う。しかしこれを購買行動に結びつけていくのにはまたひと工夫が必要となっていくだろう。次回はそんな工夫を考えるのに役立つことを紹介したい。