今週はいろいろと忙しくて、すっかり更新が遅くなってしまいました。セカンドライフの活用法を読んでくださってる皆さん、大変申し訳ありません。さて、セカンドライフ活用法のその5です。

これまでセカンドライフを企業がどのようにマーケティングやコミュニケーションの道具として活用したらよいかを考えてきたが、企業にとってどんなマーケティングも最終的には収益に結びつかなくては意味がない。

セカンドライフとROI
私が行きたかったVirtual World 2007に参加された山口先生が、そこで仮想世界の投資についてのROI(投資収益率)について話されていたことに疑問を感じたことをH-Yamaguchi.netに書かれていたが、成果主義アメリカではHPでもブログでも結果を出さなきゃマーケティング担当者のクビも飛びかねないから(某有名米国企業の担当者はだから数字のはっきりでるWebマーケティングはやりたくないって言ってました。)アクセス数やクリック数は大事になってくる。が、たぶん山口先生がおっしゃりたかったのはクリック数=収益じゃないよねということで、そのあたりは勘違いしてはいけないということだと思う。

逆に言うと、問題はどうやってクリック=収益にしていくことだ。セカンドライフ内でアイテムやサービスを販売する場合だったらこれをあまり心配することはないが、そうでない場合、SLでのマーケティングを販売行動にむすびつけるにはかなりの工夫が必要になってくると思う。つまり日産の例でいくとSL内で試乗した人にその車を実際に買ってもらうことに結びつけるにはどうしたらよいかという事だ。

顧客情報データの収集と分析
まずひとつ考えられるのが、顧客情報データの収集とその分析とその活用だ。日産の車であれば、車体の色は何が最も人気があったのか、どんな機能が使われたかなどの情報を1万7千人から収集できたわけで、そのデータを実際の製品マーケティングに活用することが考えられる。また、セカンドライフの場合、リンデンが母集団に関する情報をしっかり提示してくれているので、これがマーケティングの分析をするのに大変役立つはずである。

販売行動に結びつけるパーソナライゼーション
次に考えられるのは、デジタルな世界だからこそできる販売行動を起こさせる様々なしかけだ。例えばパーソナライゼーション。その人だけのために商品やサービスを提供することで、セカンドライフの中と外を結び付けてはどうだろうか。例えばセカンドライフで自分だけの帽子や靴をデザインしてもらったら、それと同じ帽子や靴を実際にも注文できるという仕組みを作る。アバターの画像を小型の名刺Mini-cardにするサービスはすでにあるが、セカンドライフでも実際の世界でも自分だけが持っているアイテムっていうのには魅力があるはずだ。これ以外にクーポンの活用とかまだまだいろいろ思いつくことがあるが、アメリカでは企業参入から半年経って、マーケティング関係者はこっちのアイディアを絞る方向に向っているようなので、これから様々なアイディアが出てくるはずだ。

セカンドライフでの企業のグローバル化
そして、個人的に興味があるのは、日本企業がセカンドライフという国際社会で、どういうグローバルな展開を見せていくかである。これに関してもいろいろ考えていることがあるのだが、このあたりは企業秘密というか、弊社の特化しているところなのでブログに書くのは控えさせていただきます。ということで、今回で一旦セカンドライフのビジネス活用研究を終了させていただき、今度はまた別の話題を書かせていただきます。