この連帯責任が故に、日本ビジネスのプロセスに時間がかかって仕方がない。もっと部下を信用して責任委譲をしない限り、世界のビジネスのテンポについていけなく、そのうちに日本は世界経済から取り残されてしまうのではないかと懸念しだしている。

私の友人兼パートナーが韓国にいるのだが、その彼のビジネスは手広く展開していて、IT関連から軍事産業、果てはオイル、石油まで扱うという幅広いビジネスを展開している。その彼の話ではロシア(特に今はサハリンがホット!)のオイルを転売しようと権利を得て日本にもってくるのだけれど、決断が遅すぎて話しにならない。結局中国にうりさばいてしまった」というではないか?おいおい、日本のパートナーである私をさておき日本をスキップしてもらっては困る!といっても彼としてはビジネス・スピードが遅すぎて話しにならないという理由かららしい。

なぜ、企業決断を下すのに時間がかかるのか?
それは連帯責任を取るからである。所謂企業内でコンセンサスを取ること。そりゃ時間がかかるでしょうに!日本の稟議書を見ても判るでしょ?承認判を押す箇所が何箇所準備されているか?多い場合には5個、6個とその承認を得なければならない。もしそのうちの一人が出張してたりするとその承認プロセスはそこでとまってしまう。それじゃとても世界ビジネスのスピードについていけるわけがない。

現在取り組んでいる一つの日本のプロジェクト。もう一年以上もかかっている。何故こんなにかかるのだ?担当者はこちらが紹介した案件を気にいってくれているのだが、ところが彼一人では結論が出せない。その為に一方は現場、もう一方は役員会の承認を得なければならない。予算は一年前に下りているにも関わらず結論を出すのにこれだけ時間がかかっている。製造元のアメリカの会社にとっては「えっ、そのプロジェクトはまだ続いているの?そんなに時間のかかるプロジェクトなら、もっと速やかに現金になるプロジェクトを手がけた方が良い!」と返事が返ってきた。またまた日米間の狭間に立たされて私の白髪が増えるはずだ。

結局はこれだけ時間がかかるプロセスを踏まなければならないといのは、日本人というのは失敗を恐れて臆病になっているからではないか?何故失敗を恐れるか?それは日本で一度失敗をするとあの人は過去にこんな失敗をしているから駄目だ!と決め付けられる。何故失敗が駄目なの?失敗は成功の元というではないか?アメリカでは失敗がその人の勲章である。どれだけ過去に失敗しているか?確かに人間というものは失敗すると、その失敗が大きければ大きいほどもう二度と同じ失敗は繰り返さないぞ!という気持ちになるし、また慎重にもなる。

だから日本の会社では失敗をしないように、しないようにとその努力(?)のために夜おそくまで残業をして且つ休日出勤までして石橋をたたいているのである。石橋をたたいているところをアメリカ人がみたら滑稽に思えるであろう。石橋をたたいていては当然アメリカ人に追い越されてしまう。さてこれをどのように解決すればよいのであろうか?石橋を叩きながら走ってはどうだろう。こんなことできるのかな?